芥川龍之介

「猿蟹合戦」

正義とは何だろう。作者は「君たちもたいてい蟹なんですよ。」と言う。これはいったいどういうことなんだろう？　自分が「蟹」と考えたとき、「猿」に当たるのはなんだろう？　作品の話を等身大で考えてみると、社会の動きが見えてくるよ。

「白」

「白」は一匹の犬の名前。困ったことに、「白」が「自分が白だ」と訴えても、みんなはそれを認めない。「白」が「白」であることを証明するものは一体何だろう。君が君であることを証明するものはなにかを考えながら読んでみよう。

「桃太郎」

桃太郎は正義の味方。……本当に？　君たちも一度はそういうことを考えたことがあるよね。芥川も、いまから約100年前にそこに光を当てて、社会の問題をあぶりだしたんだ。素朴な疑問のなかに、どれほど素晴らしい社会的な批判がつまっているのか。現代社会のニュースと関連付けながら読んでみよう。